2005年11月01日 (21:41)
お洒落にお調子者で行こう♪
Good gracious!
Lou Donaldson
Lou Donaldson (as)
Grant Green (g)
John Patton (org)
Ben Dixon (ds)
Recorded on January 24, 1963
[BN 4125]
ルー・ドナルドソンは、つかみどころが無い男に思える。ブラウニーと丁々発止をやっていたと思えば女の尻を見ているし(笑)、ファンキーなオルガン・ジャズでノリノリに決める。あんなに熱い奴かと思えば飄々とメロディの上をなぜていく。時代の流れの中でスタイルは変化するだろうが、身軽なステップを思わせる演奏は彼の姿からは想像がつかない(笑)。
実態が見えてこないので、なんと言ってよいのかわからない。と、言っても彼の吹いているアルバムは、そこそこの枚数しか聴いていないし半分はファンキーなものだから聴いている量も精神分析も(笑)それほど自慢できる訳ではないのだが。基本的には、やはりファンキーな性格なのかな。自分の持っている技術の全てを使って表現する事よりも8分目の余裕を持って演奏しているように感じる。
彼の性格なのかもしれない。彼は打てば響くというタイプのような気がする。自分から表に跳び出て行くのではなく、周りの勢いに乗って実力を出せるタイプのような感じがする。お調子者、って言葉がピッタリなのかも(笑)。お洒落な感じはリー・モーガンにも通じると思うんだけど、そう考えるのは私だけかもしれないな。
それでも乗せられた後の彼は中々のものだ。自分で自分に酔っているようなノリは、それに身を任せればとても心地良いものになる。特にファンキーな彼はそう言う部分が強いように感じる。雰囲気主義、それはそれで良いと思う。音楽なんてまずは気持ち良くなければつまらないから。
オルガンとギターが入りベースがいないこのアルバムは、聴かないと絶対にわかってもらえないと思う。彼がリーダーでオルガンが入ったとなるとファンキーでロックな音をイメージされそうだが、わりとしっかりとしたJAZZに仕上がっている。
LouのSaxのメロディがお洒落で心地良い。選曲も辛からず、と言って甘く流れない上品な曲が選ばれている。それを綺麗にスタンダードなラインから離れずに作り出されたアルバムだ。リズムカルでテンポのそれは正しくファンキーですけどね。
JAZZに小難しい先進的とか革新的なものを求められれば、全く別物と言うしかないがJAZZはそればかりじゃない。お洒落で心地良い音楽で十分だ。これは頭抱えて聴くのが好きな人には絶対に似合わないな。
アドリブ?丁々発止とやりあうだけがアドリブじゃないってことを肩の力が抜けたLouが、ここで示してくれている。ちょっとしたフレーズが小粋でニヤニヤさせられる、隠れた名盤って言ってもよいんじゃないかな。ジャケも楽しいしね。
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