2006年04月30日 (19:37)
ケニー・ドーハムを使って、ケニー・バレルを誉める?(笑)。
Round Midnight At The Café Bohemia
Kenny Dorham
1. Monaco
2. 'Round About Midnight
3.Mexico City
4. A Night in Tunisia
5. Autumn in New York
6. Hill's Edge
The Complete
'Round About Midnight at the Cafe Bohemia
[Original recording remastered]
Disc 1
1.K.D.'s Blues [Alternate Take]
2.Autumn in New York
3.Monaco [Alternate Take]
4.N.Y. Theme
5.K.D.'s Blues
6.Hill's Edge
7.Night in Tunisia
8.Who Cares? [Alternate Take]
9.Royal Roost
Disc 2
1.Mexico City
2.'Round About Midnight
3.Monaco
4.Who Cares?
5.My Heart Stood Still
6.Riffin'
7.Mexico City [Alternate Take]
8.Prophet
Kenny Dorham (tp)
J.R.Monterose (ts)
Bobby Timmons (p)
Sam Jones (b)
Arthur Degehill (ds)
Kenny Burrell (g)
1956.05.31
BN 1524
Kenny Dorhamを中心としたJAZZ PROPHETSと言うグループが有りました。メンバーは、Kenny Dorham (tp), J.R. Monterose (ts), Dick Katz (p), Sam Jones (b), Arthur Edgehill (ds)の5人。1956年の4月にBNではないレーベルでアルバム・デビューをしています。
それから約2ヵ月後の5月31日にBlue NoteにLiveで録音されたアルバムはKenny Dorham個人の名義で発表されました。
大きな変更はピアニストがBobby Timmonsに変わった事、そしてLiveの途中からギタリストKenny Burrellが演奏に参加する事です。
恥ずかしながらJAZZ PROPHETSのアルバムを聴いていないので、その内容の比べようがないのですが、Kenny Dorham & JAZZ PROPHETSではなく、Kenny Dorhamでの発表になったのは、Blue Noteとして他社で発表した2ヶ月前のアルバムとの違いを明確にしたかったのではないでしょうか。
それはギタリストKenny Burrellが演奏に参加する事によって、演奏が大きく変化する事を意味しているのだと思います。
このアルバムが録音された日は4回の演奏が有ったそうです。その中で最初のステージだけはKenny Burrellがいない形で演奏され、残りはすべて彼の参加した形での演奏でした。
そしてBN1524として発表されたアルバムはJ.R. MonteroseとKenny Burrellが抜けた1ホーンのAutumn in New York以外は全てKenny Burrellの参加したもので占められているのです。
Complete盤の1曲目の最後でメンバーの紹介がされていますが、そこにはKenny Burrellの姿は有りません。曲も4曲目までは、彼の参加の無いものになっています。
5曲目からKenny Burrellが参加したものになるのですが、スウィング感が全く違っています。それまでの演奏はゆったりとしたもので、それなりに心地良いものなのですが、彼が参加した事によって全体のシャープさやメンバーの一体感が生まれてきています。
聴く側の意識をステージへ向けさせる力強さが加わった演奏は、演奏のスピードの変化にも表れてきます。一本調子気味だった演奏が様々な流れを持つようになり、それぞれのソロにも色気が出てきたように感じます。
「迫力」「トリッキー」「テクニシャン」などの言葉とは遠い位置に有るようなKenny Dorhamのトランペットにも自己主張が感じられるようになり、Bobby Timmonsのノリやアタックも良くなっていると思います。
個人的にはComplete盤のDisc2になってからの演奏が特に好みです。Kenny Dorhamはリーダーらしい演奏を聴かせてくれますし、メンバー全員がそれぞれの演奏を意識しながらは勿論の事、聴いている人の事にも意識がいっているような面白いフレーズがアチコチで聞けるバラエティにとんだ演奏は、目の前のグラスを持ち上げる事を忘れさせるような、隅々にまで気持ちの行き渡った中々の演奏ではないかと思います。
'Round About Midnightなんて、ありきたりな突出した部分の無い演奏かも知れませんが、7分以上酔わせてくれる酒要らずの心地良さですし、それ以降も心地良さはアルバムの最後までずっと続いてくれます。
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